2020年度児童館協働プロジェクト ペーパーモザイクアートワークショップ 実施報告書
7月27日(月)14:00~16:20
参加者:榴岡児童館児童 児童30名、職員3名
指導:渡邊廣一、サポート:SOAT 2名(藤原、佐藤)
活動内容詳細:
活動時間間近になって雨が降り出し,一時はかなりのザーザー降りとなった。玄関脇にテントが2張り用意してあり,3蜜を避けるという配慮で雨でも外の活動となった。子供たちは全員マスク姿で児童館からテントめがけて元気にやってきた。用意したブルーシートに靴を脱いで座らせ,モザイクとはどんなものかという説明から活動が始まった。
雨の音と玄関を出入りするひとの足音や声で説明がよく聞き取れない状況だったが,「壁に絵を描くとしたら何で描くかな?」最初の質問に一気に手が上がった。みんな話をよく聞いていた。「クレヨン!」「絵の具!」「筆!」「クーピー!」「鉛筆!」「じゃぁ,今日みたいに雨が降ったり,風が吹いたり,お日様にガンガン照らされたらどうなる?」「消える!」「鉛筆は案外消えないかも。」「じゃぁ,10年後も消えない?いつまでも消えないようにするにはどうする?」またたくさんの子供たちが手を挙げた。「石なら堅くて丈夫!」私が求めていた答えがとうとう子供の口から出た。「でも石で絵が描けると思う?」そう言いながら石を素材としたモザイク画を見せた。触っていいよ,と手渡すと子供たちは驚いたように触りはじめた。
「これ石?」「そうか,石を小さくすると貼れるのか」とモザイクに対する発見をした子がいた。タイルでできた花のモザイクを見せると子供たちは目を輝かせながら「きれい!」と答えてくれた。どの子もモザイクがどんなものかを心で感じ,理解した様子だった。
次はモザイク画の制作である。2チームに分かれ,指令係(高学年生)の指示で一人ずつ順番に色紙をマス目に貼っていくゲームとした。3セット行い勝負を決めるというもので1セット20分で行った。あと5分の声がかかるとそれぞれのチームから「頑張れ」の声援が飛び出した。残り10秒のカウントダウンを始めると子供たちが自主的に「10,9,8……」と言ったり,次の順番の子がまだかと言わんばかりにジリジリして待っていた。指令係は2セット目に入ると,いろいろ工夫を始めた。貼り方の順番や,土台の枠へどういう風に糊を塗ると早いかなど,勝つための方法をいろいろ考えたようだ。
速さを競うゲームではあったが,ある発見があった。それはゲーム中,子供たちが下級生や友達を思いやる姿を何度も見たことである。貼り方の苦手な子には手を添えたり,必要な色紙をとってやったり,隣で貼り方を説明したり。
この行動は3セット目に顕著に表れた。それまで参加していなかった1年生が加わったのである。コロナウイルスの影響で1年生と言っても学校生活はつい先月始まったばかりである。ある意味途方に暮れるしかない1年生に上級生が色紙貼りに一緒に参加して丁寧に教え始めたのだ。この素晴らしい行動はきっと今回参加した1年生も来年まねるのだろうと思うとうれしくなった。
途中休憩の時に自然とモザイクの土台の前に来て自分たちが貼ったところを見たり,口々に楽しい,面白いと言っていたことも印象的だった。雨の中での活動だったが,子供たちはモザイクに触れ,貼って遊び,友達を思いやるという素晴らしい体験をしたようだった。
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