開催日時:7月7日14:00~21:00
場 所:坪沼八幡神社周辺
参加者数:児童22名 保護者2名 職員4名
講師:齋正弘(元宮城県美術館教育普及部長・SOAT理事)
サポートSOAT:藤原久美子、渡邊廣一、佐藤晴香、西村優衣子
活動内容詳細:
今年度最後の蛍観察ワークショップは梅雨時期ながらも天気に恵まれ、子どもたちは元気に坪沼に到着した。
前日までの雨の お陰か、社務所までの道のりでは蛙がたくさん顔を出し、子どもたちはワークショップ開始早々大はしゃぎで蛙を追いかけていた。この日は蛙以外にもバッタや蝶など他の虫も多く見つけられ、一日中虫探しに奮闘する姿が絶えなかった。
神社に到着後すぐに社務所に荷物を置き、全員で神様に挨拶をして、森の中をしばらく探検した。榴岡児童館の子どもたちは臆することなく齋さんの後に 続き、ちょっとした斜面を降りるのを怖がる子もいたが、「ここに足を掛けるといいよ。」など友達の励ましもあって、無事に林を抜けることが出来た。
林を探検した後は、夜に蛍観察をする場所までの道のりを照らすライトの設置の準備が行われた。まず、ライトを掛けるための杭に釘を打つ作業を行った。釘抜きの使い方や上手な釘の打ち方を覚えた子どもたちは2本の杭に釘打ちを挑戦し、無事に作業は終了した。それぞれが出来上がった杭と木槌を持って、蛍を観察する場所までの道に杭を設置し、ライト設置係を任された男子2名が後ろからライトを掛けていった。
ライト設置が終わると、来た道を戻り、次はヒノキ林での自然体験を行った。齋さんの指示を受けた子どもたちは、ノコギリで木を切ったり釘打ちをしたり、木と木の間にロープを張ったりと、ここでしかできない活動を満喫していた。
木で作った遊具には、絶えず子どもが集まり「こわい、こわい。」と言いながらも笑顔で丸太渡りなどをした。
夏至も過ぎ、日が落ちるのが少し早くなったので、今まで夕飯後に行われていた野菜とお米の苗の観察を夕飯前に変更し、自然体験の途中、観察日記に立候補した子どもたちとスタッフがそれぞれ畑と田んぼに出発した。
自然体験途中だったため、一度お米観察に立候補した子どもが自然体験を続けたいと言ったので、今回お米の観察は女子一人だけで行った。
「ひとりだけど集中できるから大丈夫。」と前向きな言葉とともに大きな田んぼの周りをじっくり歩き、色んな角度から稲の生長をよく観察していた。野菜の観察ではなかなか集中できない子もいた様だが、真剣に取り組む友達の姿やスタッフの声援もあって、時間はかかったが、全員が無事書き上げることが出来た。
自然体験と観察日記が終わり、社務所に移動し夕食の時間となったが、元気いっぱいの子どもたちは疲れた様子もなく楽し気に話しながらそれぞれのお弁当を食べ終えた。
夕飯後は琵琶の演奏が行われた。
蛍観察と一緒に行われていた平家琵琶の演奏もこの日が最後だったので、二人の演奏者の方が来て下さり、平家物語に出てくくる那須与一の語りと演奏以外にも、琵琶という楽器の歴史や耳なし芳一の話など盛りだくさんで、充実した時間を過ごすことができた。難しいながらも物語に真剣に耳を傾けた子どもたちはたくさんの質問が出た。その様子から今回の平家琵琶の体験が子どもたちの興味関心をしっかり捉えたことが伺えた。
演奏の後には蛍の生態がよくわかるDVD鑑賞が行われ、蛍の成長過程や姿の変わり方、食べ物や雄と雌の光方の違いを学んだ。
DVDの鑑賞が終わると、帰りの準備をして荷物を持って蛍観察へ出発した。昼間に設置したライトが点々と光る夜道をみんなで塊になって歩いて行った。出発する前に「暗いの怖い。」と言っていた子もいたが、外に出て歩き出すと怖がる様子もなく、蛍が現れるとみんなと一緒に喜び暗い場所の怖さも忘れて、はしゃいでいた。
たくさんの蛍に出会えたわけではなかったが、光るたびに子どもたちはあっちへこっちへ駆けまわり、一匹見つけるたびに「何匹目だ。」と報告してくれた。「あれは雌だ。」「あれは近くに相手がいる時の光り方だ。」とDVD鑑賞で学んだことをさっそく思い出しながら蛍観察をする子もたくさんいた。
観察が終わり齋さんに挨拶をすると、近くで待っていたバスに乗って子どもたちは帰路についた。
蛍観察に参加した子どもの中には「来年も来たいな。」と言う子が多くいた。来年の夏だけでなく、これからの夏が来るたびに、今回の自然体験や蛍に出会った事を思い出して欲しいと思う。
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